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トレンドラインを有効活用する




 「自動トレンド描画」では、ワンクリックで一気にたくさんのラインが表示される。一見煩雑にラインが引かれていて、よくわからないと思われるかもしれない。しかし、実際に株価の先読みをしようとすると、この程度の線がチャート上にないと役にたたない。

 実はこのプログラムは1年ほど前に、GCチャート誌の出力プログラムとして社内で完成していたが、「こんなにびっしりトレンドを引いてチャートを印刷したら、自分のトレンドを引きたい投資家に敬遠される」と判断、お蔵入りとなっていた。そして今回、GCハローのサービス向上を議論する中で、「トレンドを自動で引けないか」という要望があることが議題となった。「とっくに出来ています」とプログラマーから指摘をされて、急遽実現することになった。固定的で多様な対応が難しい印刷物のサービスとちがって、コンピューターサービスなら自由が利く。見たくないというユーザーなら無視していただけばいいからだ。トレンドラインを徹底して引くタイプのユーザーなら、何本ものラインを引いていく作業が、どんなに時間をとられる作業かをご存知だろう。今回のプログラムは、正統派のトレンドライン描画を、一瞬に大量処理してくれる。


日経平均(日足・長期スパン・プログラム例)


日経平均(日足・拡大スパン・プログラム例)


 それでは、それぞれのトレンドラインを詳しく見ていこう。


自動描画されるトレンドラインの種類



A、下値支持線(ピンク)<右肩上がりに引かれる>
 チャートの安値と安値を結んで引く。支持線と命名されている通り、アップトレンドが継続しているチャートの下値を支えるように引かれねばならない。それには二つの安値の直近に近い方が、先の安値より高い位置にあることが条件になる。後講釈として、トレンドを引くのは簡単だが、日々データが更新されている情報端末上のトレンドラインは姿が違ってくる。新たに安値が追加されるような場合には、先に引いた下値支持線が役目を終えて、さらに新しい下値支持線が引かれる。こうして複数の下値支持線がチャート上に残るのである。


下値支持線の描画パターン


 新しく引かれたトレンドにその立場を奪われた線は役立たずのように思われようが、実際にはこれを残しておく意義は大きい。トレンドラインは株価チャートの外郭をなぞるように描かれたのだが、株価にまたがれたかつての「下値支持線」は、株価チャートの中を横切っていくことになる。この株価に絡むトレンドラインの延長線を株価がどのように通過するかを見てみる。私たちは株価がその線を通過した後に挨拶をしに戻ってくる場面をよく見る。この現象を節目と呼んだりプルバックという。ただし、あまりたくさんの線が保存されると、チャート画面はちょっとしたパニックに陥る。


1603アラ石(日足)


 プログラムでどの程度の執拗さでトレンドラインを発生させるかをコントロールする。


NYダウ(日足・プログラム例)
NYダウ(日足・プログラム例)


 株価が描かれている価格帯(特に直近の)に絡んでくるラインの延長線を確認してみる。↑キーで画面を拡大し、もう一度ATアイコンをクリックしてみる。


1603アラ石(日足)


 そこに、これから先の株価を待ち受けるラインが何本か確認されるはずだ。煩雑に引かれているように見えても、それぞれのラインは、過去のボトムから派生し、最近の株価の居心地の良い価格帯を通過しているのである。もう一度↓キーでチャートを長期化して表示し、ATアイコンをクリックする。拡大して見ていたラインがどのあたりから始まっているか、さらにはっきりと認識されよう。画面上には表示されていない過去の安値データを基点に、最近の拡大されたチャートにその痕跡を表す。プログラマーは長期と短期のチャートをボタンひとつで切り替えられる機能を活かす工夫をしているのである。ただ、チャートの表示期間が切り替えられる画面に、常にトレンドを描くようにはしていない。CPUに過大な付加をかけると、それだけ画面切り替えの時間を多くとられることになるからだ。任意の表示サイズでもう一度ATアイコンをクリックする手間を許されたい。再び表示されるラインはいかなるサイズでも精密に復元される。

 下値支持線を引いた段階で、採用した始点と次の線上の安値の間にある高値を通る平行線が同色のピンクで描かれている。この平行線の延長線上に次の高値メドを探るためだ。一瞬のうちに丹念にトレンドラインを引き重ねる作業を実現したことで、下値支持線に平行に引かれる線で、株価の振れる範囲を、簡単に見当をつけることが出来る。特に、目立って派手な上昇を演じた株価が勢いをなくすと、その高値に何本もの平行線が重なって、あたかも灯台のサーチライトのような姿になる。これは相場のピークアウトの証しだと理解していただいていい。


B、上値抵抗線(青)<右肩下がりに引かれる>

 チャートの高値と高値を結んで、上値抵抗線が描かれる。この線は下値支持線とは逆に、右肩下がりの線にならなければならない。このトレンドラインを上抜かない限り、相場はさらに低迷することを意味する。逆にこのラインを下から抜ければ、相場の基調が変わったことになる。ただし、相場の底入れを探っている急落局面では、株価が青い線の平行線に上から近づき、そして反転する(下降チャンネルの下値確認と上昇転換)。弱気相場の急激な戻りになるケースが多いが、その上昇は短命に終わることを念頭におきたい。


上値抵抗線の描画パターン


 この下値模索を何度も繰り返す場合は、高値のメドは上値抵抗線そのものだと理解していい。本格的な上昇局面に至るには、青い線本体を下から突き抜くかどうかの節目が待っている。一度ラインをまたいて、プルバックの戻りがあって、再び線を割り込むことなく上昇に転ずれば、相場は完全に上昇基調に入ったと認識される。上値抵抗線がまずは下押しの目処になるとされる瞬間だ。


下降チャンネルの下値確認と上昇転換



C、回帰トレンド(中期は赤、短期は青)<波動>

 チャートの外郭をトレースしながら構成される下値支持線と上値抵抗線に加えて、もっと短い株価の息遣いを捉えてみよう。今回は回帰トレンドという手法でその機能を狙ってみた。株価の値動きをいくつかの波動に分けて捉えるには、回帰直線を利用する方法がある。エリオット波動やフィボナッチ級数で波動を数えていく手法が紹介されているが、チャートをどのくらいのピッチで、どれほどの期間を書き連ねるかで、どこからどこまでを一波動とするかがばらつきが出る。あいまいさを残さないように、二種類のサンプリングを実行してチャンネルを分けてみた。

 「回帰をとる」というのは、ある変数をグラフ化し、一定の期間の原データに一番近い線を引くと理解していただきたい。この線を回帰直線と呼ぶ。この作業をデータのサンプルを入れ替えながら繰り返し、向きが変わったところを調べて、上昇波動と下降波動の期間と認定する。そのデータを元に、それぞれの期間の高値と安値を通過する平行線を発生させて「回帰トレンド」とするのである。たくさんのデータをサンプリングした赤い線と、より小刻みに調べた青い線の2種類を表示している。上昇下降それぞれをカウントしてエリオット理論を唱えるもよし、パラボリックのように、チャンネルの反転確認に使うのもいい。このチャンネルの中央に回帰直線があり、株価がその線の上か下かを推察して方向感を養うのもいい。向きの違うチャンネルに改まる前に、現在描かれている線が消えるので、反転のサインとして利用するのも一考だ。あまり余所にないトレンドラインなので、ユーザーの皆さんの工夫で活かしていただきたい。

回帰トレンドの描画パターン


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